前編の記事はこちらからご覧ください。
この能力はスポーツビジネスの特徴的な能力かもしれません。スポーツビジネスは地域と密接に関わっています。その中でどのようにコミュニティと関わり、価値を提供し、ビジネスとして成り立たせるのかということは、非常に重要なテーマです。
実際の求人情報を見ていきましょう。
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【基本情報】
【目的】
【責務】
【不可欠な知識・スキル・経験】
【望ましい知識・スキル・体験】
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サッカーに基づいた英語と数学のワークショップとは、一体どのようなものなのでしょうか。とても興味が湧きます。CFGではこのように、地域貢献のために積極的な活動をしており、小学校だけでなく、他の施設での活動も行っています。
ちなみにシティ・イン・ザ・コミュニティ財団は1986年からある慈善団体です。社会的責任を果たすために作られ、以下のことを目的にしています。
このジョブディスクリプションでは、コミュニティに根ざした仕事だけあって、「子どもや若者、または地域社会のさまざまなグループと仕事をした経験」や「外部組織との関係構築と内部パートナーシップの維持の経験」「優れた包括的なチームワークの能力」「優れたコミュニケーションとモチベーションのスキル」など、コミュニティ運営に欠かせない能力を求められています。
目的を達成し、成長していくグループとどのように関わることができるのかという点は、なにもこの役割だけで求められていることではありません。
次に、CFGの写真を統括するフォトグラフィーリードのジョブディスクリプションを見ていきましょう。
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【基本情報】
【目的】
【責務】
【不可欠な知識・スキル・経験】
【望ましい知識・スキル・経験】
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この仕事、すごく楽しそうですね。確かにマンチェスターシティのSNSはクリエイティブが非常に優れており、そのクオリティは洗練されています。
ここでも、監督、選手、コーチ、選手の代理人との協力関係や、シティ・フットボール・グループ全体のフォトグラファーを教育し、外部の会議やイベントで堂々と発言できるようにすること、複数の拠点で複数の概要をカバーするフリーランサーのチームを率いた経験など、多種多様な人材を共通の目的のためにコミュニティ化しリードしていくことが求められています。
最高水準、ベストプラクティスという言葉は何度もCFGのジョブディスクリプションの中に出てきます。関連するワードとともに抜粋してみました。
ここで言われる「最高水準」とは決して「数学のテストで1位を取る」といったことではありません。答えのあるテストの中で1番を取ることとは異なり、「答えのない世界で理想的な状態を率先して思い描き、実現させていくこと」が求められています。
これは常にアスリートにとっての「最高のパフォーマンスをすること」と似ています。用意された環境、自分のコンディション、対戦相手の情報、試合の流れ、その中で今どのパフォーマンスが「最高」となり良い結果をもたらしてくれるのか。
アスリート人材にとって「最高水準を追い求める力」は武器になる能力であり、現役の頃にどのように考えて取り組んでいたのかを内省することをお勧めしたいです。
以上、4つの能力に焦点を当てて求人情報を見ていきました。CFGのジョブディスクリプションを見ると、どの領域においても非常に高いレベルの人材を求めていることがわかります。そして、全ての仕事がとても魅力的でチャレンジングなものだということも伝わったかと思います。
現役を引退してすぐにこれらの職に就くことはなかなか難しいことです。しかし、これからどのようなキャリアに身を置いて、そこでどのような経験を積むべきかというイメージが少しでも湧いたのではないでしょうか。例えば、スクールでスポーツを教える時を考えてみましょう。生徒にただ教えるのではなく、「スクールがどのようなコミュニティになれば最高水準と言えるのか」「そのために何ができるのか」を考え、実行することは偉大なキャリアの第一歩であると思います。
大事なのは、今の環境で自分がどのような責務を追っているのかを理解し、それを最高水準に持っていくためにはどうすればいいのか考え、より大きな責務にチャレンジしていくことです。
アスリート人材は、偉大なキャリアを築き、チャレンジするための資質を持つ可能性が高い人材なのだと信じています。